眠れない夜は抱きしめてあげる

横山くんがかっこいいから仕方ない、諦め系オタク

横山裕主演舞台 ブルームーン の話

主演 横山裕

フライヤーや舞台雑誌のこの文字の羅列にどれだけ感動したことか…

主演自体は(ジャニーズによるジャニヲタの為の、もしくは世にも奇妙な物語など短編ではあるが)ドラマで何度か経験しているので「見たことのない世界への感動」というより改めて感じる「主演」の重さというか、やはり誇りの感情が大きかった気がする。

 

というのも根っこは二宮担だから気が付いたらとっくにゴールデンタイムの主演も経験していたし、だいたいの作品で”もちろん”主演で日の光を浴びるところに私自身も当たり前にいたので、久しく感じていなかった主演の贅沢さと重圧に魂が震えた。

 

二宮は主演をたくさん経験したからこそ、逆に脇役としての演技が光るような気がしていて、ドラマや映画の仕事はもうまったく把握してないけども、今年の正月に放送していた「オリエント急行殺人事件(確か)」は面白かった。確かにほかの役者さんも豪華で名だたる方ばかりだったけども、いつも主演を張るような超国民的アイドルが他多数の中にいるのは新鮮だったしなにより二宮はイキイキとしていた。

この二人の共通項は脇役だろうと主役だろうと本人には関係なく、その場その場で適応して溶け込んでいけるところだと思う。

 

話を戻すと、横山くんの主演は本当に挑戦だったと思う。

舞台自体9年ぶり、ストレートプレイは13年ぶりなのである。その間に関ジャニ∞はめっきりジャニーズ事務所の中堅グループになってしまった。そりゃもう主演でしょ!という空気感たっぷりなのである。そんなプレッシャーを横山くんがどれだけ感じていたかはわからないけど、私が見る限り横山くんは頑張っていた。ヒルナンデスでお誕生日を祝ってもらった時に「頑張ります、目先に舞台を控えているんで」と、お昼の一般人向け番組で空気読めない発言をしたくらい横山くんは舞台のことでいっぱいだった。

 

と同時に私自身にも挑戦だった。

横山くん1人の現場なんて未経験、横山担がうじゃうじゃいる空間なんて想像しただけでぶっ倒れる!そう思って本当に本当に病んでいた。舞台班の助言のもと、とりあえず初日と楽は抑えるんだ…のちのち後悔しないように…初日と楽だけは……と地面に這いつくばって生きていた。ほとんどヲタクの友達とは言ったが、FCに入会している程のエイト担の友達は限られていた。でもなんとか20名義集めた。

 

全滅だった。まあ無理はない。楽しかかけてないから!そりゃ無理だ!アッハッハ!

 

その後ポスターのビジュアルが公開。袈裟を着たスーパーイケてる横山くん!

私は和装に目がなくインスタを震える指で更新し、もう!だからかっこいいって!言ったじゃん!ってチケットまだないけど!と自分の頭をポカポカしながら帰ったのを覚えている。

 

そしてぴあ、ローチケ、イープラの一般。

FC未入会でも電話番号さえあれば誰でも応募のチャンスがあるし、横山くんの他に元宝塚の女優さんや人気若手俳優さんが出演するとあって倍率は計り知れなかった。とりあえずチケットがないとお話にならない、その焦りが私を本気にさせた。お寺の息子なんてもしかしたら大大大好きな坊主の横山くんに会えるかもしれない!!!坊主を諦めていた私にかすかな希望がさしたのである。

※私は坊主が死ぬほど好き

 

可能な限り声をかけた。ナビダイヤル代は馬鹿にならんのでごく身近な一般人の友達と過去10年間に仲良くなった嵐担エイト担インスタグラムのフォロワーに職場…申し込んだ公演は全部で100を超した。これには私も驚いた。私が把握した回線は60程だったはずなのだ。それはまさにジャニヲタの特性にあった。とくに嵐担の10年選手達。よければ申し込んどいてくださいと丸投げし、締め切り後に何の連絡もなかったので忙しいし忘れたんだろうなと思っていたら、熟練の思考回路と手腕で複数申し込んでくれており、丁寧に当落確認までしてくれたのだ。仲間というのは本当に力になる。ありがたい。他にもたくさんの方に手伝ってもらい、私に会いに行ってほしいという思いもたくさん頂戴した。ご尽力くださった方々には本当に感謝してもしきれない。

 

当落は数日に分かれていた。仕事と住んでいる地域上、土日しか行けないというのが大きく、初日確認分は全滅。当たった人をtwitterでもなかなか見かけない程チケット争奪戦は厳しいらしく二日目当落の日は会社の食事会だった。その日は雨が降っていた。そわそわしつつ食事会を終え、帰路に着いた後、番号で真っ黒に書き潰したルーズリーフが雨に濡れぬように持って自転車を漕いだ。ローチケだけで30はあっただろうか。ロッピーの前に立ち、目をつぶってでも当落確認できるから「チケットがお取りできませんでした」画面のプロになれるな~と馬鹿なことを思ってた時だった。思わず二度見してしまった……伝票を持つ手が震えていた。残り2つだった「チケットがお取りできませんでした」画面を軽く確認しロッピーを後にした。後ろにギャルがいた。ギャルはいつから並んでいたのだろう……ごめんギャル…ジャニヲタでごめん…でも横山くんに会えるチケットが手に入ったのかもしれないのだ!喜んでくれギャル!君がロッピーを待ってる甲斐があったぞ!!!!と心の中で明らかに不機嫌そうなギャルにグッドラックを送りレジでチケットを手にした感動ったらなかった。しかもここまで全然気づいてないが当選したのは公演初日のチケットだったのである。もう私はコンビニ中の人全員に報告したい気持ちを抑えるのに必死だった。初日だよ!!?あなたにこのチケットの価値わかる!? 誰だって!?横山くんだよ!!あの世界で一番かっこいい横山くんが舞台の主演だよ?!その初日のチケット!!! くぅうう!!

 

翌日2つ当選を電話で確認し、私の当選率は100+α分の3だった。十分すぎる結果である。当ててくれた3人には頭が上がらないが、当たるとか当たらないとかじゃなくて、そうやって協力してくれる人の存在を確認できたことが私にはなによりの収穫だったのかもしれない。

 

ここまでが4月中旬の話。GWを越えてあっという間に5/23、初日。2月に情報が解禁してから3か月も経っていた。私は横山くんの史上最大の晴れ舞台のためにワンピースを買い、美容院に行き、ネイルに行き、ツアー前のような気合いの入れようだった(さすがにヘアセットは行ってないが)

公演まではインスタで仲良くなった村上担の子と一緒にいたのだが、新大久保に着いてからというもの冷や汗と腹痛と吐き気で死ぬかと思った…まあ全部錯覚なんだろうけど、普段のライブでは開演5分前とかに入場するのが当たり前で緊張のきの字もしないタイプなのでこれまた久々の感覚に自分自身戸惑った。気にしていた「場内横山担の巣窟問題」については本気愛先輩から教えてもらった「私が一番彼を好き」法でメンタルトレーニングをつんでいたのでなんとかやりきれた。

 

初日は何事もなく終わった。横山くんが登場した時に舞台初心者のeighterと呼ばれる人種たちが歓声でも起こすんじゃないかと心配していたので安心した。本編については後で触れるが、初日とあってか横山くんはカッチコチに噛みまくり、首を横に振って言い直したりしていた。それより坊主のカツラが素晴らしかった。カツラというのも初日では気付かなかったくらい私にとっては夢にまで見た横山くんの坊主姿だったのだ。かっこいい…坊主で袈裟を着た横山くんはこの銀河1かっこいい…新記録更新おめでとうございます…かっこいい…知ってた……と公演時間2時間10分のうち2時間は思っていた。そして私が坊主を死ぬほど好きと知っている友人達は「勝訴だ!!!!」私より喜んでくれていた。

 

公演後、横山からあろうことか伊野尾に転落した友達に会い、新大久保で韓国料理を食べた。横山から伊野尾って視力低下したんじゃ…大丈夫かな…と思いつつ彼女の伊野尾以外全員ジュニア話を聞いた。やはり本気の人は面白い。彼女と出会ったのは彼女がまだ横山担の時で、横山担は確かに苦手だけど、全員というわけじゃなくてそこまでのきっかけや価値観が合えば横山担という肩書がどうでもよくなる程好感を持てる人がいる。その翌日に会ってくれた友達も横山担なのだがインスタを通して仲良くなりたいと思ってくれたらしい。私が普通の横山担より歪んでいるのは自覚しているがそれなのに仲良くなりたいと思ってくれたことがすごく嬉しかった。元横山担、横山担ではあるが、彼女たちのことは大好きである。

 

そうしてホテルに帰り、夜中遅くまでびっしりアンケート用紙を書き、次の日も公演を観た。

でもカーテンコールまで観ていたら新幹線に間に合わない。新幹線はいくらでもあるけど、そこから地元に帰る終バスに間に合わないのだ。薄暗いなかで時計をチェックして1回目のカーテンコール終わりで席を立った。2階から1階へ降り、ロビーに出ようとした時、開いた扉から2回目のカーテンコールで舞台に立つ横山くんが見えた。客はスタンディングオベーション。横山くんはお客さんに微笑んでいた。間に合わない、と思いそのままダッシュでグローブ座を出た。そこから新大久保駅に着いて品川駅、新幹線に乗るまで私は泣きっぱなしだった。なんでかはよくわからないけど、ほんの何十秒でも、そこに横山くんがいたのに、笑いかける人がいたのに、自分はそこにいられなかったのが悔しかったのかもしれない。今思うとあの頃の私は必死すぎだし、周りからはさそがし晒し者だったのだろうと赤面する。

 

その勢いで私は翌週も東京にいた。

大久保の駅のホームでチケットを譲り受け、丸亀製麺でアンケートを書き1部を観劇、突然のことなのに埼玉の櫻井担とクレープを食べにも行けた(彼女と会うのは実に数年ぶりだった)そして2部も観劇…

 

物語の最後に横山くんが彼女(役)にバックハグをされたあと彼女(役)を抱っこしてくるくる廻るシーンがあるのだが、ラブシーンNGの私。初日はとっさに目を覆ってしまっていた。いやたぶんあれはラブシーンとはよべない、ただのハッピーエンド。横山担もあれは許すだろうというレベルのハッピーラブラブシーン。2部は1階B列下手だったのだがまさにそのシーンが真ん前なのである。

横山くんは先週とは打って変わり(かは観てないからわからんけど)すごくリードしているのである!!!彼女(役)の手を自ら取り、腰に手を当て、ギュっと抱きしめているのである!!!うわわああああああああああああああああ!!となった時、喉元にクレープがやってきた。私の身体は明らかに逆流を催したのである。これで「横山くんのラブシーンはドクターストップ」って言い訳が通じるね!やったね!

 

私はこの公演後に起きた震度4の地震に気が付かなかった。周りが口々に揺れてると話す中、私の動機のせいかな♪とか本気で思っていたのである。真近で見た横山くんの背中や後頭部が本当に本当にかっこよくて完全に浮かれていた。恐ろしい。

 

観たい位置や内容に一通り満足したので東京はもう行かないと決め、大阪公演を待った。諸事情であまり詳しくは話せないが結論から言うと千秋楽も入れたので、自分の行動にすこぶる満足している。ちなみにいうと大阪はアンケートの代わりに個人あてにファンレターが出せたのだが、横山くんが封筒をわざわざ開けるはずないと思ったので封筒には入れずに便箋だけのと、メッセージカードで実に11通も書いた。どれか一つ、開けてくれてたら私の坊主への想いが伝わったのに…読んでないよね…知ってる…いいの、やれることはやったから……

 

 

千秋楽の横山くんはテンポがすごくよかった。セリフも役も身に沁みついていた。カーテンコールの挨拶もぐっちゃぐちゃで何が言いたいか全然分からなかったけど、でも共演者の方やスタッフさんやお客さんに恵まれてここに立てたという感謝と座長をやり遂げた達成感をひしひしと感じているのはわかった。 その表情を見て私も胸がいっぱいだった。

 

横山くんの演技は、そういう類の人から見たら正直よくはなかったんだろうなと思う。ユタカ(役柄)がそうだったからかもしれないけどワンパターンで見ててつまらない。私がそう思ったのはたぶん、ほかの役者さんがすごく良かったからだと思う。

横山くん以外はよかった、芝居の引きこまれ方から言うとそうなってしまうけど、やはり普段から舞台やドラマでしっかりプロとしてやっている人の演技はすごい。横山くんを贔屓目で見る人の逆でどうしても横山くん目線で見てしまうからこういう感想になるんだとも思うけど…ほかの役者さんが良すぎてそう見えたのかもしれないし。

 

過去にタイムスリップしちゃうってよくある展開の話で最終的には都合よくハッピーエンドになるし横山くんにはちょうどよく重くない題材でやりやすかったんじゃないかなって思った。でもやっぱあぁいう類の話ならわざわざ舞台じゃなくても、テレビでは見れない、見たことのない違う横山くんが観たかったなと思うところもある。

スルメ舞台では決してないけど、内容うんぬんより私は横山くんが主演舞台をやりきって、そこに私自身の後悔がないヲタ活ができたってことが大きいかな。

 

いつか私は横山くんから離れるし、今ある横山くんへの「好き」の感情も忘れてしまうと思う。でも精一杯好きだったんだということを場所や人や自分の中に残しておきたかった。すごくすごく好きだったということを残しておきたかった。忘れたくないけど忘れちゃうから、せめて消えないようにそこに生きてた証を残す、私にとってヲタ活ってそんな作業。

 

好きな事と好きな人を一生懸命追って横山裕を頑張った数ヶ月でした。

ブルームーンは人生史上で一番充実した、本当に特別な現場でした。

横山くん、お互いにお疲れ様でした。

私はこの舞台で横山くんへの想いやヲタ活の考え方が変わったかもしれない。

 ……まさに「運命は、いつでも遠回り」だと。

 

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(決まったーーーーーーーーーー)